特にこの酷暑直前の時期はカサカサの乾燥で地も干上がっていたのに。
今年はビクビクしていた4月が終わろうというのに、いまだに涼しいです。
いえ、「涼しい」というと語弊があるかもしれないので、正確には暑いのですが30~35度ぐらいでおさまっているということです。
時たまザーーーーっと通り雨が降るのが雨季の時みたいで ”ヘンな天気” に落ち着かない最近です。
怖いものが来る来る、って思って待っているのになかなか来ないことの拍子抜けでなんだか生ぬるい気持ちです。
それと同時に、後4カ月あまりでやり上げてしまいたい仕事がたくさんあることへの焦りと、将来への準備と、帰国前にして大事にしたい任地の人達との1日1日の時間への寂しさと、いまだに少し穴のあいた日本を想う気持ちが、入り乱れて忙しい毎日です。
心が。
どしゃぶりの中、ネットもつながらない夜、大好きな映画を観ることにしました。
大好きだと言いながら、他のジブリに誘惑されて考えてみれば15年以上観ていなくって、本当に久しぶりに観ました。
あの時は、暗い気持ちが体の表面にぺたっと貼りつくような感覚しか残らなくって、でも気になるからきっと好きなんだろうって思っただけで、思えば私、どうして大好きなのかも忘れているようでした。
「風の谷のナウシカ」
もともと涙もろいのですが、涙が止まらなかったです。
長くても80年あまりしかないヒトの人生の中で、人間一人一人が欲望にまみれて生きています。
名誉や権力に翻弄され、争うこと戦うことで他人のソレまでも手に入れようとエスカレートすることが多い世の中です。
命は80年ポッキリのものではなく、祖先や子孫とで、過去と未来でつながっているのでその視野を持って生きているのだと思うのですが。
国の領地や、国権や、思想の違いを、欲をむき出しにして相手を制するために戦う人間たちと。
生きるために必要なこと以上のことを求めて、自然からの怒りを買っている今の私達の世界。
人間同士は、相手の息の根をしずめることで、力で負かすことが出来る(ように思っている)から争いが減らないのかもしれない。
もしかしたらそれが自然にも通用すると思って、力で封じ込めようとすると自然の怒りに触れるのだろうと思います。
汚染された水を海に流してしまった人間への怒りは、隣国が自分のところにも流れてきてしまうというような恐怖とは全くレベルの違う怒りとなって自然から還ってくるんでしょう。
自然にはかなわない、やっぱり人間は自然とともに生きている一部だと言うことを、考えずにはいられない今回の地震とナウシカです。
オウムが津波にみえて、仕方なかったです。
立ち入り禁止区域に指定された中の牧舎で100頭を超える牛が、つながれたまま悲鳴をあげながら死を待っているという。
インドに連れて来て、放し飼いにしてあげたいところですが、きっと一番辛いのはずっと一緒に暮らしてきた飼い主さん達なんだろうと思います。
怒りと悲しみに悲鳴をあげてる自然の声に、耳を傾けられるナウシカのようでありたいと思いながら、自分の欲を制するのがいかに難しいか感じている、生身の私です。