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晴れな人生、生き方!
それでいて、夢がちりばめられていて、ところどころで出会えるといい。
自己満足だとも思いながら、夢の一つである国際協力に踏み出す。

*用語説明*
ANM・・Auxiliary Nurse Midwife(准看護助産師) 農村部で15・6の村を対象にドクターなしで診療所を運営する。分娩から成人・子どものケアまで。

ナース・・・日本のように看護師と助産師の資格が分かれておらず、それ以上のことも行う。例)会陰切開や、縫合など

2010-04-04

"ありがとう” は言わないで


彼女には、何でも話せる。

まだここに赴任して1週間の頃、隣県に住むVarsha(ヴァルシャ)に出会った。
プロジェクトの一環で、ICM(国際助産師連盟)の会議に出させてもらったとき、一緒にハイデラバードに行ったうちの1人。
2つ年下の、同じくナース。












それ以来ずっと会いたいと思っていたけど、何せ隣県とは言えバスで5時間ぐらいのところなので日帰りはできず、なかなか行けないでいた。
それで今回。
3連休があったので、私はVarshaに会いにいくことにした。


インドの人は、たいてい「ありがとう」は口にしない。
たとえば、何かあげたとしても「どうも」ぐらいだったり。
たとえば、ごはんをごちそうしたり家に泊めたりという比較的大きなことでも、ドアを開けてあげるとか送ってもらうとか小さなことでも。
(もちろん、”お医者様”が根付いてるので、病院ではよく「どうもありがとうございます」という最敬の挨拶を聞くのだけれど。)

感謝の心、喜ぶ心を学んだ日本から来ると、どうも最初はしっくりこなかった。

なんで?普通ありがとうぐらい言うでしょ?!と、腹立たしく思ったり。
もしかして、嬉しくないのかな・・・と、残念に思ったり。

でもだんだんわかってきた。

単に自分が嬉しい気持ちになったり、あああげて良かった感謝してもらった、って思いたいのか。
ありがとうを求めるこの心が、実は見返りを求めている結果なのかもしれない、と。


男の人が井戸を一人で引きながら、その水を飲んでるところへ無言で男が井戸を引く役目をしだしたり。
飲んでた男の人も無言で飲み続ける。
終わると、無言で交代する。

バスに乗ってきた見知らぬ子どもを自分の膝にいきなり座らせたり。
子どもも、何食わぬ顔で座る。
その母も何食わぬ顔で、もう一人の子どもを膝に乗せて横に座る。

そんなもんじゃない。
もう、こっちがどうしてかどうしても聞きたくなるぐらいに優しいことがたくさんある。


おもてなしの心を誇るニッポン。
もちろん、日本も来客を粗末に扱ったりはしないし、精一杯もてなす心を持ってると思う。
でもインドは、そんなの当たり前の極地なのかもしれない。
ありがとうがなくっても、当たり前のようにそれをどこかで誰かに返してる。
ずーっとそんなサイクルなんじゃないか、って思った。


4人兄弟の長女。
ナースという仕事が大好きで、こっちが、「もうちょっと自分のことだけ考えて」と思うぐらい、いつも人のことばかり気にかけている優しいVarsha。

ずーっと語り合った後の、別れの今日。
「Varsha、本当にありがとう!!」というと、
「ありがとうなんて言わないで!友達でしょ。当たり前だよ。大好きな人に、楽しんでほしくてやってるだけ。感謝なんていいのよ。こちらこそ、来てくれて嬉しかった!」と。


いろんなことに気を使ってくれたVarshaとその家族。
日本人も顔負けのおもてなしだった。
それなのに、他人に気をつかわせない技は、インド人にしかできないと思った。

理由は多分、そこに見返りを求める心が全くないから。




















彼女の住む町の隣。
世界遺産の、カジュラホにて。

2 件のコメント:

  1. ありがとうがしみ込んでいる人生ってあったかいね。
    わたしにとってのKANAちゃんもそういう人だよ。

    日本は桜が満開です♪

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  2. >mari

    当たり前に相手を思いやれるってすごいですよね、無意識で。
    ま、時におせっかい過ぎることもありますが。
    会いたいです!
    来てくださいね。

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