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晴れな人生、生き方!
それでいて、夢がちりばめられていて、ところどころで出会えるといい。
自己満足だとも思いながら、夢の一つである国際協力に踏み出す。

*用語説明*
ANM・・Auxiliary Nurse Midwife(准看護助産師) 農村部で15・6の村を対象にドクターなしで診療所を運営する。分娩から成人・子どものケアまで。

ナース・・・日本のように看護師と助産師の資格が分かれておらず、それ以上のことも行う。例)会陰切開や、縫合など

2010-02-20

癒されて・・・

今までに病院で研修を受けたANM(準看護助産師。他記事参照)数人を連れて、隣ブロックの群病院、末端の診療所へ見学の旅へ行った。
昨日のことだ。

本当は昨日そのことを書こうと思っていたのだけれど、360度大地が広がるようなところを車でずーっと走って帰って来て、いろんなことを感じているうちにインドやインド人への気持ちがいっぱいになったので、あんな記事になってしまった。

10時にダモーを出発する予定だったのに、10時前に来たのは私と後一人だけ。
2人、また2人、ポツポツ集まりだして、結局19人参加の予定が9人なんだろうと判断がついたのは12時前だった・・・
ま、いつものことなので何ともないのですけど。


オフィスのミニバスで、いざ出発。
口ぐちに喋るから、毎回’いいとも’みたいにしないと話がわからなくなる。
歌えだの、歌うだの、遠足状態。。。









1時間程行った草原のど真ん中で、バスが急に止まる。

ぷすん。

つぶれたそうだ。
・・・。
マ○ダ産・・・。









スパナがないとダメだ、とか言って車から牛使いまでいろんな道行く人を止めては聞いている。

牛飼いは、スパナ持ってないでしょーが!
でも、優しいからか面白そうだからか、牛飼いも一応話を聞いている。









だいたいスパナがないと困るつぶれ方が、こわい。

そんなことはお構いなしのANM達に、「降りよ!降りよ!」と誘われて、降ろされる。
降りた途端、ダーーーっと草原へ散らばるみんな。









え?何ですか?
突っ立って待ってると、各々草を抱えて帰ってきた。
大量のひよこ豆の草を持って。

「ナーシュタ!ナーシュタ!(朝ごはん!朝ごはん!)」と、ひよこ豆モーニングの時間が勝手に開始された。
軟らかい皮をめくると、まだ青いひよこ豆が。









内職レベルの速さで、親友の一人であるサーヴィットリ(23)が、ずーっと剥いて手のひらにのっけてくれた。
つぶれたバスの中は草だらけ・・・












無心で豆の食べ放題をした後に、口ぐちにポツリポツリと。
「みず・・・」
「うん、水だ。」
「水飲みたいね。」
「チャロ。(行こう)」
またザーッと降りる。

え?と思って私もついて行く。
だってこんなとこ水ないでしょうが!

でもよく見ると、5m先に家があった。










「井戸あるよね?ちょいとしつれーい」と言って、おうちの井戸を拝借。

軒先で、食事中の牛さんと、そのヨコで食事中のおばあちゃんと、その井戸で水浴び中のおじいちゃんとお兄さんの横で、列を作って水待ち。













じいちゃんも兄ちゃんもめちゃめちゃ恰好よくて優しくて、その頃にはバスが潰れていることを私も忘れていた。









「ニホンって・・・どこの村だっけね?」と聞いたじいちゃん。
長くなりそうだったから、
「ん? ・・・クニだよ。遠いとこ。」
とだけ答えた。
「そうか~ よく来たねえ」とにこーっとしてくれた。
タイプです!!


ちょっと目を離すと、誰かが通りすがりの自転車からビスケットを買っている。









「おっちゃん、こうやって売ってるの?」って聞くと、
「いやいや、店に届ける途中なのさ~」と言っていた。
店のみなさんも困るでしょうに。。。

その横で2・3人は、ナツメヤシの実を必死に木からもぎ取っている。

そうこうして1時間程、目的地の病院側から、救急車がやってきた。
もちろん患者は私達。
急きょ、救急車に乗り換えて再出発。












日本の「救急車をタクシー代わりにする患者!」みたいな記事が浮かんで、胸痛し。


そこからさらに奥地のセンターなどを3か所程回る。
やっと辿りついた病院は、どこもとっても頑張っているのが伝わってきて嬉しかった。










道が粗すぎて、乗ってるだけで死にそうだった。
実際となりに座っていたスワティーは天井に頭を打ったし、私は伸ばしていた足が前のシートに激突した。
痛いけど、なぜか大爆笑。

しかもどこも1時間半ぐらい、群病院からさらに奥地。
緊急搬送どころか、みんな生まれてしまいそうな道だ・・・

搬送用に用意されている車というのが存在するが、普通に健診とかお産が始まったって時はみんなどうやって来るの?と聞いたが、やはり水牛車だそうだ。












これも、生まれてしまいそう・・・。
それでも、果てしなく広がる丘や草原や、青空や風には涙が出そうなぐらいの感動をおぼえる。


ポツポツならぶ家や人々の暮らしは、まるで縄文時代の写真のようで、なんとか歴史博物館の展示のようで。
めったに車なんて通らないからか、猛スピードで飛ばしているにも関わらず、家の中からわざわざ出てきては見る、子どもも遊ぶ手を止めては見る、石鹸まみれの水浴び中のおじいちゃんも停止。

窓から見ている私には、それこそ時が止まったように見えた。

日本の有能カメラの手ブレ機能なんて太刀打ちできないぐらいの車のバウンドの中、必死に撮った一枚。









今日もいつも通り線香花火だ。

思いやりがあって、時におせっかいで、人の話も聞いてないけど、優しくって自由なみんな。
壮大な音楽を奏でるように沈む、真っ赤な太陽を後ろに、みんなで一緒に家路についた。


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