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晴れな人生、生き方!
それでいて、夢がちりばめられていて、ところどころで出会えるといい。
自己満足だとも思いながら、夢の一つである国際協力に踏み出す。

*用語説明*
ANM・・Auxiliary Nurse Midwife(准看護助産師) 農村部で15・6の村を対象にドクターなしで診療所を運営する。分娩から成人・子どものケアまで。

ナース・・・日本のように看護師と助産師の資格が分かれておらず、それ以上のことも行う。例)会陰切開や、縫合など

2009-12-13

我が子への思い

「昨日の夜、帝王切開みたの。見てみて、写真撮ったから」
朝、いつも通りANM(Auxillary Nurse Midwife)が研修のため寝泊まりしている部屋へ顔を出すと、そのうちの一人の女の子がこう言ってきた。
どうやら携帯の写真で撮ったらしい。
そこに写った小さな赤ちゃんは、静かに寝むっていた。
そして、全身が腫れあがっていた。
「お腹の中で亡くなっちゃったのはいつ?」と聞くと、
「誰も知らないの。40週(予定日)で、横位(赤ちゃんがお腹で横に寝ていて要するに下から産めない)だったから、帝王切開にしただけ。出てきたら、こうだった」と。
日本ではありえないが、ここでは機械や技術や環境の違いで、発見できないことはおおいにある。


インドには大昔から、ダウリーという習慣がある。
女の子は、結婚するときに大金を夫側の家へ払わなければならない。
貧しい人は、そのために全財産をはたかなければならないこともある。
女3姉妹とかになると、どういうことになるか想像がつく。
若ければ若いほど、ダウリーの金額は安くつき、相手側の位と自分側の位の微妙な差によっても変わってくるらしい。
貧困層が若年結婚なのはそれも関係しているとのこと。

デリーで知り合った大学生に、以前ダウリーの話をしたとき、
「そーんなの、大昔の話だよ!」と笑っていたが、
今日会ったすべての人に聞いてみたところ、今でももちろん行っているとこのことだった。
だいたい日本円にして20万~100万ぐらいの幅がある様子。
わたしの一日を書いたときに、日常の物価を少し紹介したが、それと比べてここではどれほど大きな金額かがわかっていただけると思う。


世界中で超音波が発達してきた今日この頃、妊娠中の異常の早期発見や成長度合をみるのに役立っている。
インドの田舎にも超音波は入ってきている。
日本では、産後の洋服の色が何色かまで決まってしまう。
生まれてくる子は本当に幸せだ。


その赤ちゃんは、女の子だった。


そのお母さんにはその子の上にもう一人子どもがいるが、そちらも女の子だ。
お母さんはこの結果を自ら望み、実は結構前から、何かの薬を飲み続けていたらしい。
超音波普及の副産物がここにある。

彼女の深層心理はわからない。
ただ、もうどうしようもないことが日常に存在するということだ。
何不自由なく育った私たちの価値観では推し量りきれないことが。

彼女はどんな思いで我が子を思っていたのだろうか・・・

静かに眠る赤ちゃんは、おそらくお母さんのとったその行動によるものだとのことだった。

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